外壁から水が滲み出る原因と正しい対処法|被害・放置のリスク・予防策を解説
ある日ふと自宅の外壁を見たとき、水が滲んでいるような跡に気づいたことはありませんか?
「もしかして雨漏り?」「家の中に水が入ってくるのでは?」と不安に感じるのは当然です。
外壁から水が滲み出る現象は、建物の老朽化や防水機能の低下、気候条件などによって引き起こされることが多く、放置すると建物全体に深刻な被害を与える可能性があります。
本記事では、外壁から水が滲み出るタイミングや原因、放置した場合のリスク、対処法、さらには予防策までを詳しく解説します。
外壁から水が滲み出るのはどんな時に起こる?

外壁から水が滲み出るのは、主に雨や湿度、気温差といった自然環境の影響を受けて起こることが多く、特に気象条件に左右されやすいです。
雨が降った直後
最もよくあるのは雨が降った直後に外壁に水が滲んでくる現象です。これは、外壁表面や目地(コーキング)部分から水が入り込んでしまった可能性が考えられます。
一度に大量の水がかかると、経年劣化した箇所から水が侵入しやすくなります。
また、雨が止んだ後もしばらく湿っている状態が続く場合、内部に水分が滞留している可能性もあります。
こうした現象は特に築10年以上経過している建物で多く見られます。
台風や豪雨の後
台風や豪雨の後には、通常の雨よりも激しく横殴りの風雨によって建物のすき間から水が侵入するリスクが高まります。
このような強い風雨では、屋根や外壁の劣化部分が集中してダメージを受けやすくなります。
特にサイディング外壁では、接合部やコーキングの劣化により、水の浸入経路が生まれやすくなります。
万が一のため、台風の後は外壁に異常がないか点検することが重要です。
気温差で結露が発生した時
外気温と室内温度に大きな差があると、外壁内で結露が発生することがあります。
特に冬場や梅雨時期には、温度差と湿度が重なって壁内部に水分がたまりやすくなります。
結露は室内だけでなく、外壁材の内部でも起こるため、表面に滲み出る形で見えることがあります。
これは気づきにくい被害のため、見つけたら早めに対応することが求められます。
外壁のひび割れが進行している時
ひび割れ(クラック)が外壁にできていると、そこから雨水や湿気が浸入しやすくなります。
特に、髪の毛ほどの細さの「ヘアークラック」でも長期間放置していると、雨水が内部に染み込み、やがて表面に滲み出ることも。
コンクリート造やモルタル外壁でひび割れが多く見られる場合は、雨水侵入のサインとして注意が必要です。
定期的にひび割れの点検と補修を行うことで、被害の拡大を防げます。
外壁から水が滲み出る原因とは?
水の滲出は、外的要因だけでなく、建物そのものの劣化や施工不良が原因となっていることも多くあります。
外壁の経年劣化が進んでいるから
築10年以上経過している住宅では、外壁の防水性能が徐々に低下していきます。
塗装がはがれたり、防水層が劣化していると、雨水が壁内に入りやすくなります。
建築物は年月とともに自然劣化するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特にメンテナンス歴がない場合は、原因の特定が困難になりやすいです。
コーキング(シーリング)が劣化しているから
外壁材の継ぎ目にあるコーキング材(シーリング)は、約10年前後で劣化します。
ひび割れや剥離があると、そこから直接雨水が侵入し、水が外壁から滲み出る原因になります。
また、紫外線によっても劣化が進行するため、日当たりのよい面ほど注意が必要です。
コーキングの打ち替えや増し打ちは、外壁の耐久性を保つために非常に重要です。
屋根や雨樋からの雨水が外壁に流れ込んでいるから
屋根の勾配や雨樋の排水がうまく機能していない場合、雨水が外壁に直接あたり、染み込む原因となります。
雨樋の詰まり・破損・傾きがあると、本来流れるべき水が壁面に流れ出し、結果的に滲み出る現象が発生します。
外壁の上部やサッシまわりに水が溜まると、内壁への侵入リスクも高まります。
定期的な雨樋の清掃や点検は、外壁の保護にもつながります。
外壁材の防水機能が低下しているから
サイディングボードやモルタルなどの外壁材には、元々防水性がありますが、時間が経つと性能が落ちてきます。
塗膜の劣化や変色、チョーキング(粉ふき)現象が見られる場合は、防水機能が失われている可能性が高いです。
この状態で雨にさらされると、内部に水が入り込みやすくなり、壁面からの滲み出しが起こります。
外壁塗装のメンテナンス周期(10年目安)を守ることで、こうした被害を防ぐことができます。
外壁から水が滲み出るとどんな被害が起こる?

水が滲み出るという現象は、外壁だけにとどまらず、建物の構造や住環境全体に影響を及ぼす恐れがあります。
室内の壁や天井にカビが生える
外壁から侵入した水分は、やがて室内の壁や天井にも達し、カビの発生を引き起こす可能性があります。
カビは見た目が悪いだけでなく、胞子を吸い込むことでアレルギーや喘息などの健康被害の原因にもなります。
特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、注意が必要です。
カビは湿気と有機物を好むため、水分が滞留することで急速に広がる傾向があります。
柱や梁が腐食して建物の強度が落ちる
外壁から浸入した水が壁の内部まで達すると、木造住宅の場合は柱や梁が湿気を吸って腐食してしまう恐れがあります。
構造材が劣化すると、建物全体の耐震性や安全性にも悪影響を及ぼします。
鉄骨構造の住宅でも、水分が内部に入ることでサビや膨張を引き起こし、強度低下のリスクがあります。
こうした構造上の劣化は見た目ではわかりにくく、気づいたときには大規模修繕が必要になるケースもあります。
電気配線やコンセントに水が侵入して火災の危険がある
室内の壁内には電気配線が通っており、そこに水が入り込むと漏電やショートの原因となります。
特にコンセント付近から焦げ臭いにおいや異音がする場合は、すぐに使用を中止し専門業者に相談してください。
国土交通省の資料でも、漏電が原因となる火災リスクについて警鐘が鳴らされています。
防水対策は、建物だけでなく住人の安全を守るためにも非常に重要です。
家の中が湿気で不快になる
外壁から水分が入り込むと、建物全体の湿度が高くなり、部屋の中がジメジメして不快に感じるようになります。
湿度が高いと、衣類や家具、家電製品にも悪影響を与えることがあります。
また、湿気が多い環境はダニやカビの発生を助長し、住環境の衛生状態を悪化させます。
健康と快適性を守るためにも、湿気の原因となる外壁からの水の侵入は早めに対処しましょう。
外壁から水が滲み出るのを放置すると危険な理由
外壁の水トラブルは軽く見られがちですが、放置することで深刻な建物被害や健康被害を引き起こします。
建物の構造体が腐って倒壊のリスクが高まるから
柱や梁などの構造体に水が染み込んで腐食が進むと、建物そのものの安全性が著しく損なわれます。
最悪の場合、床の沈下や壁のひび割れ、ドアや窓が閉まりにくくなるといった被害が発生することもあります。
耐震性が低下すると、地震の際に倒壊の危険性が高まります。
早期発見・早期対処が被害の拡大を防ぐ鍵です。
カビやシロアリが発生しやすくなるから
水分が常にある状態では、カビだけでなくシロアリも繁殖しやすい環境になります。
シロアリは木材を食害し、柱や土台をボロボロにする恐れがあります。
また、カビと同様に目に見えない部分で進行するため、気づきにくいのが特徴です。
被害に気づいたときには、すでに大がかりな補修が必要になっていることも少なくありません。
リフォーム費用が高額になる可能性があるから
初期のうちに対処すれば数万円〜数十万円で済む修理が、放置すると100万円以上の大規模リフォームになることも。
例えば、外壁塗装やコーキングの補修だけで済んでいたはずが、壁の内部腐食が進行して下地交換まで必要になると費用が跳ね上がります。
予防と早期対応こそが、コストを抑える最も有効な手段です。
リフォーム推進協議会でも、定期的な点検の重要性が強調されています。
健康被害(アレルギー・喘息)を引き起こす原因になるから
湿気によるカビやダニの繁殖は、特に小児や高齢者、アレルギー体質の方にとっては深刻な健康リスクをもたらします。
日本医師会の報告によると、室内環境の湿度やカビの影響で呼吸器疾患の症状が悪化するケースがあるとされています。
「水の滲み出し=健康被害への入り口」とも言えるため、早めの対処が不可欠です。
住環境を守るという意味でも、見逃せない問題です。
外壁から水が滲み出る時の正しい対処法

水の滲出に気づいたら、慌てずに以下の手順で冷静に対処することが重要です。
まずは被害箇所の写真を撮って記録する
水が出ている箇所・滲んでいる箇所を写真で記録しておくことが大切です。
これは専門業者に相談する際の資料になるだけでなく、火災保険などを申請する場合の証拠としても役立ちます。
できれば、雨が降っているときと乾いているとき両方の状態を撮影しておくとより分かりやすくなります。
濡れている時間の長さもメモしておくと、原因の特定につながります。
雨漏りの原因を特定するために専門業者に調査を依頼する
表面だけ見ていても、本当の原因は分かりません。
建築士や雨漏り診断士などの資格を持った専門業者に依頼して、詳細な調査をしてもらうのが確実です。
赤外線カメラや散水調査を使って、壁の内部や屋根・サッシまわりの水の侵入経路を突き止めることができます。
信頼できる業者を選ぶことで、無駄な工事や高額請求を避けることにもつながります。
劣化したシーリング材を補修する
水の侵入原因がコーキングの劣化であった場合は、劣化した部分の「打ち替え」や「増し打ち」で対応できます。
ひび割れが進行している場合は、古いシーリングをすべて撤去して新たに充填する「打ち替え」が推奨されます。
この作業はDIYでも可能ですが、雨漏りが深刻な場合はプロに任せるのが安全です。
シーリング材には耐久性の高い変成シリコン系やポリウレタン系などが使われます。
外壁塗装または外壁材の張り替えを検討する
塗膜の劣化や壁材の傷みが原因の場合は、外壁塗装や張り替えによって防水性を回復させる必要があります。
築10〜15年を過ぎた家では、塗装メンテナンスの時期を迎えています。
外壁塗装を行うことで、美観の回復とともに防水性の復活にもつながります。
劣化がひどい場合は、張り替え(重ね張り含む)も選択肢として検討しましょう。
外壁から水が滲み出る場合に業者へ相談すべきタイミング
外壁からの水の滲出は、原因を見極めてから適切に対処することが重要です。しかし、素人の判断だけでは限界があります。以下のようなタイミングで業者へ相談するのが適切です。
水の染みが広がってきた時
滲みの範囲が日を追うごとに広がっている場合は、内部に水が浸透しているサインです。
壁紙の色が変わっていたり、湿っている部分が増えているようなら、速やかに専門業者に相談してください。
放置すると下地の腐食やカビの繁殖が進み、修繕コストが跳ね上がります。
雨の日と晴れの日の違いを比較しておくと、業者も原因を特定しやすくなります。
数日経っても水が乾かない時
普通の雨ジミなら、天気が良くなれば数日で乾くはずです。
しかし、数日経っても乾かないようであれば、内部に水が留まっている可能性が高いです。
こうした場合、目に見えないところでカビや腐食が進行している危険性があります。
外壁の通気性や防水性が損なわれている証拠でもあるため、早めの点検が必要です。
雨が降っていないのに水が出てくる時
雨が降っていないのに外壁に水が滲み出てくる現象は、内部にたまった水が外へ逃げてきている可能性があります。
これはすでに壁の中に水が侵入し、建物の内部にダメージが及んでいる段階です。
表面からは問題がなさそうに見えても、壁の裏側では深刻な被害が進んでいるかもしれません。
この場合は速やかに雨漏り調査の専門業者に依頼しましょう。
自力での点検が難しいと感じた時
自分で屋根や高所のチェックができない場合は、無理をせずプロに任せることが大切です。
脚立を使っての高所作業は転落の危険もありますし、見落としも多くなります。
また、専門的な知識がないと、間違った判断をしてしまうこともあります。
安全面と確実性のためにも、違和感を感じた時点で専門業者への相談をおすすめします。
外壁から水が滲み出るのを防ぐための予防法

外壁の水トラブルを未然に防ぐためには、日頃の点検とメンテナンスが鍵となります。以下のような予防策を習慣化しましょう。
定期的に外壁の状態を点検する
最低でも年に1回は、外壁全体をぐるっと目視で確認しましょう。
ひび割れ、剥がれ、変色、コーキングのひびなどを見つけたら、早めに補修することが大切です。
高所など自分で見られない部分は、ドローン点検を行う業者に依頼する方法もあります。
早期発見が、被害の拡大と修繕費の高額化を防ぎます。
築10年前後で外壁塗装のメンテナンスをする
外壁塗装の耐用年数は、使用する塗料にもよりますが約10年が目安です。
築10年を超えたら、外壁塗装を検討し、防水性を維持しましょう。
特に遮熱性や防カビ性のある塗料を使うことで、外壁の保護機能が向上します。
信頼できる塗装業者に依頼することも成功のポイントです。
コーキングのひび割れを見つけたらすぐ補修する
コーキングは劣化しやすく、外壁トラブルの原因になりやすい部分です。
目で見てひび割れや剥離を発見したら、すぐに補修するようにしましょう。
DIYでも可能ですが、外壁全体となると技術と手間がかかるため、専門業者に依頼するのが安心です。
耐久性の高いシーリング材を使用することで、メンテナンス周期を延ばすことができます。
雨樋の詰まりや破損を早めに直す
雨樋のトラブルは、外壁への水の流れ込みの原因になります。
落ち葉やゴミの詰まりを定期的に掃除し、割れや変形がないか確認してください。
雨樋の傾きが変わってしまうと、排水が正常に機能しなくなり、外壁や基礎部分への水被害につながります。
半年に1回程度、チェックと清掃を行うことでトラブルを未然に防げます。
外壁から水が滲み出ることに関するよくある質問
ここでは、外壁からの水の滲出に関してよく寄せられる質問にわかりやすく答えます。
外壁の水漏れと雨漏りはどう違う?
外壁からの水漏れは、外壁の表面または内部に水が滲み出る状態を指します。
一方、雨漏りは建物の内部、例えば天井や壁の中に水が侵入して室内に影響を及ぼす状態です。
つまり、外壁の水漏れが悪化すると、やがて室内への雨漏りに発展する可能性があります。
初期段階の水の滲出を見逃さないことが、雨漏りの予防につながります。
応急処置は自分でできる?
軽度のひび割れやシーリングの劣化であれば、ホームセンターなどで補修材を購入してDIYも可能です。
ただし、水がどこから侵入しているのか分からない場合は、無理に自分で触らず専門業者に相談するのが安全です。
間違った処置をすると、水の侵入口が広がって被害が悪化することもあります。
応急処置は一時的な対応であり、根本的な解決ではない点を理解しておきましょう。
火災保険は使えるの?
火災保険は、台風・豪雨など自然災害が原因で外壁から水が滲み出た場合に限り、適用されることがあります。ただし、経年劣化や施工ミスが原因の場合は対象外です。
保険会社に申請する際は、被害状況の写真や見積書などが必要です。
保険を利用する場合も、専門業者による被害報告書の作成がスムーズな審査につながります。
どの業者に相談すればいいの?
雨漏り診断士、外壁塗装専門店、住宅リフォーム業者などが対応可能です。
信頼性の高い業者を選ぶには、「建設業の許可」「資格保持者の在籍」「過去の実績」「口コミ」などを確認しましょう。
悪質業者による不必要な工事や高額請求を避けるため、相見積もりを取ることも重要です。
国の「住宅リフォーム事業者団体登録制度」に加盟している業者であれば、一定の基準を満たしており安心です。
まとめ|外壁から水が滲み出る時の原因・対処法と放置の危険性

外壁から水が滲み出る現象は、気象条件や経年劣化、施工不良など複数の原因によって発生します。
放置すれば、建物の腐食・カビ・健康被害・火災リスクなど、生活に深刻な悪影響を及ぼすことも。
だからこそ、早期の点検・的確な補修・専門業者への相談が不可欠です。
また、日頃の予防メンテナンスを継続することで、将来的な大きな出費やトラブルを未然に防げます。
ご自宅の外壁に「おかしいな」と感じる変化があったら、ぜひ本記事を参考に行動を起こしてください。
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