ベランダの雨漏りをDIYで直す前に!原因・対処法・注意点まで完全解説
ベランダからの雨漏りは、住宅の内部に大きな被害を与える前兆です。特に築年数が10年以上経過している場合、防水層の劣化や排水不良が原因で雨水が室内に侵入するケースが増えています。
「業者に頼むほどではなさそうだけど、自分で何とかしたい」そう感じている方には、DIYでの修理という選択肢も有効です。しかし、間違った方法で修理してしまうと、かえって症状を悪化させてしまう恐れもあります。
この記事では、ベランダの雨漏りをDIYで修理する前に知っておくべき原因・症状・道具・作業手順・注意点・よくある疑問まで、初心者にもわかりやすく解説します。
ベランダの雨漏りをDIYで修理する前に知っておくべき原因とは?

まずは、雨漏りの原因をしっかりと見極めることが大切です。原因を間違えて対応すると、再発したり、建物全体にダメージが広がることもあります。
防水シートの劣化
ベランダの床には、FRP(繊維強化プラスチック)やウレタンなどの防水層が設けられています。これらは年数が経つと紫外線や雨風により劣化し、ひび割れや剥がれが発生します。
防水層の耐用年数は一般的に10年前後とされており、築10年以上で一度もメンテナンスをしていない場合は、この部分の劣化が最も疑わしいです。
劣化した防水層から水が浸入し、構造部材に達すると、雨漏りとして室内に現れるようになります。
DIYで修理する場合、表面の軽度なヒビや剥がれであれば対応可能ですが、全面的な防水層の再施工が必要な場合は業者に依頼するのが無難です。
排水口(ドレン)のつまり
ベランダには通常「ドレン」と呼ばれる排水口が設けられています。ここに落ち葉やゴミ、砂ぼこりなどが詰まると、雨水が適切に排出されず、水がベランダ内に溜まってしまいます。
水が長時間たまることで、防水層やコーキングの隙間から水が染み込むリスクが高まります。これが結果的に室内への雨漏りにつながります。
定期的にドレンの清掃を行い、異常がないかを確認することで防げるケースも多いです。
DIYでも簡単にできる作業のひとつなので、まず最初に確認しましょう。
ひび割れや隙間
ベランダの床や壁に小さなひび割れがあると、そこから雨水が徐々に浸入します。特にモルタルやタイル仕上げのベランダでは、経年による収縮や振動で細かなクラック(ひび)が入りやすくなります。
ひび割れの幅が1mm以上ある場合は要注意です。表面だけでなく、内部にまで水が到達してしまう可能性があります。
こうしたクラックには、防水用のコーキング材や補修テープで対応することが可能です。
ただし、幅が広い場合や多数ある場合は、防水層全体の点検が必要です。
コーキングの劣化
サッシ周りやベランダの隅、壁の継ぎ目などに使われている「コーキング材」は、5〜10年程度で劣化して硬くなり、ひび割れを起こします。
コーキングの役割は「隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ」ことですが、劣化が進むとそこから水が浸入し、雨漏りの原因になります。
見た目でヒビや剥がれが確認できる場合は、DIYでの補修が可能です。ホームセンターで販売されている外装用コーキング材を使いましょう。
また、打ち替えや重ね打ちの方法についてはメーカーの説明書や公式動画を参考にしてください。
外壁とベランダの接続部から漏れることがある
ベランダと外壁が接する部分も、雨漏りの発生しやすいポイントです。構造上、わずかな隙間ができてしまうため、コーキングの劣化や建物の揺れによるズレで水が入りやすくなります。
特に、サイディング外壁やALCパネルを使用している住宅では、ジョイント部分の処理が不十分だと、雨水が浸透しやすくなります。
このような箇所は、外見では問題がなさそうに見えても、内部で雨漏りが進行していることがあります。
ベランダ付近で室内にシミが出てきた場合は、この接続部のチェックも忘れずに行いましょう。
ベランダの雨漏りのDIYが必要なサインを見逃さないポイント
次に、雨漏りの発生を知らせるサインについて解説します。これらの症状を放置すると、被害が拡大する恐れがあります。
天井や壁にシミができている
室内の天井や壁紙に、茶色や黒っぽいシミができている場合、それは雨漏りの明確なサインです。特に、ベランダの下に位置する部屋で確認された場合は、高確率でベランダが原因です。
放置するとカビや腐食につながるため、早期対応が重要です。
まずは、雨の翌日などに、該当箇所に濡れた跡がないか確認してみましょう。
DIYで補修可能な範囲か、専門業者に相談が必要か判断する目安にもなります。
雨のあとにベランダ下から水滴が垂れている
ベランダの下側や軒天(のきてん)部分に、雨のあと水滴が垂れている場合は、雨水がベランダを通り抜けて下部まで浸透している可能性があります。
このような症状は、防水層や排水設備が機能していないサインです。水が溜まりやすい場所を中心に確認し、浸入口を特定することが重要です。
また、軒天にカビや腐食が見られる場合、すでに構造材にまで影響が出ているケースもあるため、早急な対応が必要になります。
ベランダ床にひびや割れが見える
ベランダの床面にひびや細かい割れが発生している場合、その部分から雨水が浸入している可能性があります。特に経年劣化した防水層では、表面が乾燥して縮むことでクラックが発生します。
幅が0.3mm以上のひび割れは「構造クラック」として要注意とされており、内部まで影響が出ていることがあります。
コーキングや防水テープでの応急処置は可能ですが、広範囲に広がっている場合は、防水工事が必要なケースもあります。
ベランダの隅に水がたまるようになった
本来、ベランダは排水口(ドレン)に向かってわずかに傾斜がついており、水が自然に流れるよう設計されています。しかし、長年の使用で傾斜が不十分になったり、排水口が詰まっていたりすると、水が隅にたまりやすくなります。
ベランダの隅に常に水たまりがある状態は、雨漏りリスクが非常に高いとされています。
水がたまり続けると、防水層や下地材に負担がかかり、徐々に劣化が進みます。
室内にカビ臭さを感じるようになった
雨漏りによる湿気が壁内部にこもると、カビが繁殖しやすくなります。特に、壁や床下、押入れの奥などでカビ臭さを感じる場合は注意が必要です。
カビ臭=水分が滞留しているサインと考えましょう。見えないところで湿気がたまり、健康被害や建材の腐食を引き起こす原因になります。
このような場合は、ベランダと隣接する部屋や壁の裏側の点検も含めて対応が必要です。
ベランダの雨漏りのDIYに必要な道具と準備について

原因が分かったら、次はDIYで修理するための道具や準備を整えましょう。安全で確実な作業をするためには、基本的なアイテムをそろえておくことが大切です。
防水テープやコーキング剤を用意する
DIYでの雨漏り補修で活躍するのが「防水テープ」や「外装用コーキング剤」です。これらは隙間やひびをふさぎ、雨水の浸入を防ぐ役割があります。
例:アサヒペン「防水補修テープ」や、セメダイン「スーパーX ハイパーワイド」など
用途に応じて、耐候性・防水性に優れた商品を選びましょう。
高圧洗浄機やブラシで掃除する
補修前には、ベランダの床面やドレン周りをしっかり清掃する必要があります。ゴミや泥が残っていると、防水材が密着せず、効果が十分に発揮されません。
家庭用の高圧洗浄機やデッキブラシを使って、コケ・カビ・ほこり・落ち葉などを丁寧に除去しましょう。
作業前にベランダをしっかり乾かす
防水作業やコーキング作業は「完全に乾燥した状態」で行うことが基本です。雨の直後や湿気の多い日は避け、作業前日は必ず天気予報を確認しておきましょう。
表面に水分が残っていると、密着不良や施工ミスにつながるため、布や雑巾で水を拭き取ったあと、数時間放置して乾燥させることが重要です。
手袋・マスクなどの安全対策をする
コーキング剤や防水塗料には独特の匂いや刺激がある場合もあるため、作業中はマスク・ゴム手袋の着用を推奨します。また、高所での作業になるため、滑りにくい靴や長袖の作業着を着用しましょう。
マンションや集合住宅の場合は、共用部分での作業ルールも事前に確認しておくと安心です。
「アサヒペン防水補修テープ」など市販品をチェックする
最近では、ホームセンターや通販サイトで、初心者向けの防水補修グッズが数多く販売されています。
例として、「アサヒペン 水性防水塗料」「コニシ 防水テープ」「セメダイン 外壁用シール」などがあり、どれも使い方が簡単で、初心者にも扱いやすいです。
事前に公式サイトで説明動画や製品レビューを確認しておくと、実際の作業がスムーズに進みます。
ベランダの雨漏りをDIYで簡単に直す5つのステップを解説
ここからは、実際の修理手順について詳しく解説します。DIY初心者でも実践できるよう、工程を5つのステップに分けて紹介します。
ベランダを掃除して水分を取り除く
まず最初に行うのが清掃です。ゴミや泥、コケなどをしっかり取り除き、床面を乾燥させておくことが、補修の効果を高めるポイントです。
水分が残っていると防水材が定着せず、剥がれやすくなります。完全に乾燥させることを意識しましょう。
ひび割れ部分にコーキング剤を塗る
次に、目視で確認できるひび割れや隙間に、外装用コーキング剤を塗布します。ノズル付きのチューブタイプなら、直接押し出して使えるため初心者にも簡単です。
塗布後はヘラや指(手袋着用)で押し込み、隙間がないようにならしておきます。硬化時間は商品により異なりますが、24時間以上乾燥させるのが基本です。
防水テープで隙間や割れをふさぐ
コーキング処理が難しい場所や広範囲のヒビには、防水テープを使いましょう。テープは幅広タイプを選び、補修箇所よりも上下左右に5cm以上はみ出すように貼ることで、防水性が高まります。
貼る前にはアルコールなどで油分や汚れを除去しておくと、粘着力が長持ちします。
排水口のゴミやつまりを取り除く
排水口(ドレン)に詰まった落ち葉や泥を取り除く作業も忘れずに行いましょう。ゴミが詰まったままだと、再び雨水が溜まり、せっかくの補修が台無しになることもあります。
ゴム手袋やピンセット、小型スコップを使うとスムーズです。排水口の中まで確認し、できればホースで水を流して通水テストを行いましょう。
「アサヒペン 水性防水塗料」で上から塗装する
最後の仕上げとして、防水塗料を床全体または補修箇所に塗布します。水性タイプは扱いやすく、初心者にもおすすめです。
ローラーや刷毛を使って均一に塗り広げ、乾燥時間をしっかり守ることが大切です。塗布後は最低24〜48時間、完全に乾くまで雨に当てないように注意しましょう。
ベランダの雨漏りのDIYで失敗しないための注意点とは?

DIYはコストを抑えて手軽にできる反面、誤った方法で行うと状況が悪化することもあります。以下のポイントを意識し、安全かつ確実に作業を進めましょう。
作業前に天気予報を確認しておく
補修作業は、天候が安定しているときに行うのが原則です。特に防水塗料やコーキング剤は、完全に乾くまでに時間がかかるため、作業日とその翌日が晴天であることを確認してから作業に入るようにしましょう。
雨が降ると、補修材が流れたり、密着不良が起きる可能性があるため要注意です。
コーキング剤が完全に乾くまで放置する
コーキング材にはそれぞれ乾燥時間(硬化時間)が設定されています。乾く前に水に濡れたり、上から塗装したりすると、密着性が低下し、すぐに剥がれてしまいます。
最低でも24時間、できれば48時間の乾燥時間を確保するようにしましょう。
防水塗料は説明書通りに塗る
防水塗料の多くは、使用前によく撹拌(かくはん)し、ローラーや刷毛で均一に塗る必要があります。厚塗りや重ね塗りが必要な製品もありますので、必ずメーカーの説明書を読み、手順通りに作業しましょう。
塗布量や乾燥時間を守らないと、耐久性が大幅に低下します。
無理に高所作業をしない
2階以上のベランダや手すりの外側など、高所での作業が必要な場合は、安全を最優先にしてください。脚立を使う際は、必ず水平な場所に設置し、1人で作業せず、可能であれば家族に見守ってもらいましょう。
不安定な体勢や片足作業は転落事故につながるため絶対に避けてください。
症状がひどいときは専門業者に相談する
DIYで対応できるのは、あくまで「軽度の雨漏り」です。防水層の全面劣化、内部腐食、大規模なクラックなどが見られる場合は、住宅専門のリフォーム業者や防水工事業者への相談が必要です。
費用はかかりますが、根本的な解決を図るためにはプロの力が必要な場合もあります。
ベランダの雨漏りのDIYでよくある質問とその対処法
最後に、ベランダの雨漏り補修に関する、よくある疑問について回答します。
DIYで完全に直せないときはどうする?
DIYを試しても再び雨漏りが発生する場合、補修箇所以外に原因がある可能性があります。目に見えない部分での劣化や内部構造の問題が疑われます。
その場合は、建物の構造に詳しいプロの診断を受けることをおすすめします。無理に繰り返しDIYを行うよりも、長期的にはコストを抑えられるケースもあります。
コーキング剤はどれを使えばいいの?
屋外での使用には、「耐候性」や「防水性」が高いシリコン系または変成シリコン系のコーキング剤がおすすめです。
例:セメダイン「超多用途SU」やコニシ「ボンド建築用シリコンシーラント」など
用途に合わせて、塗装の上から使えるタイプかどうかも確認しましょう。
防水塗料は何年くらいもつの?
市販の水性防水塗料の耐用年数は、製品や環境によって異なりますが、おおむね10〜20年程度が目安とされています。定期的に表面の状態をチェックし、色褪せや剥がれが見られたら再塗装を検討してください。
雨の日でも作業して大丈夫?
雨の日の作業は絶対に避けましょう。防水材やコーキング剤が水と反応し、硬化不良や密着不良を起こす可能性があります。
また、床が滑りやすくなって危険です。必ず天候の良い日に作業してください。
修理後のチェック方法はある?
修理後は、次回の雨の日に補修箇所を確認しましょう。水の浸入が止まっているか、シミが広がっていないか、室内のカビ臭さが改善されたかなどをチェックします。
水のかかる部分には、軽くホースで水をかけて漏れの有無を確認する方法もあります。ただし、施工から48時間以上経過してから行うようにしましょう。
まとめ|ベランダの雨漏りをDIYで自分でも安全に修理する方法

ベランダの雨漏りは、原因をしっかり特定し、適切な方法で対応すれば、DIYでも十分に改善可能です。以下のポイントを押さえて、失敗しない補修を行いましょう。
原因を見極めてから正しい手順で対処する
雨漏りの原因には、防水層の劣化・排水口のつまり・コーキングのひび割れなど、さまざまなパターンがあります。
原因を特定せずに作業を始めると、修理が無駄になる可能性があります。まずは目視や症状から、どこから水が入っているのかを冷静に判断しましょう。
安全第一で無理のない範囲で作業する
ベランダのDIY修理は、高所や屋外での作業になるため、常に安全を意識しましょう。滑りにくい靴・手袋・マスク・作業服などを着用し、天候や時間帯にも注意してください。
市販の便利グッズをうまく活用する
最近では、防水テープや水性防水塗料など、初心者でも使いやすい便利グッズが多く販売されています。事前に情報を集め、自宅に合った商品を選ぶことが成功の秘訣です。
不安がある場合は、施工動画やレビューを参考にするのも有効です。
ベランダの雨漏りは、初期段階であれば自分で対応可能なケースも多くあります。ただし、無理をせず、症状が悪化している場合は早めに専門業者への相談も視野に入れましょう。
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