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2025/4/23 神奈川県某所|飲食店キッチン床クラック補修・防水施工

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2025/4/23 神奈川県某所|飲食店キッチン床クラック補修・防水施工

2025/4/23 神奈川県某所|飲食店キッチン床クラック補修・防水施工

こんにちは。
雨漏り調査・修繕 けんおうリノベーションの本田です。
今回は、ある飲食店での雨漏り調査とキッチン防水工事の一幕を、少し物語風にご紹介させていただきます。

【雨の日の室内工事録】──漏水、それは小さな事件のはじまり

春雨の降りしきる朝。
私たちは神奈川県某所にある、ある飲食店の厨房へと足を踏み入れた。今日の現場は“屋内”。あいにくの空模様で外壁工事は見送られたが、雨の日こそ“水”の本質に向き合うにはふさわしい。

そもそもこの話が始まったのは、2024年のことだった。
1階のテナントから「天井から水が落ちてくる」との一報が入った。聞けば、営業中に突然天井から水が滴り、スタッフが慌てふためいたという。

私は現場に駆けつけた。本田である。
けんおうリノベーションという屋号を掲げ、幾百もの“水の記憶”を追い続けてきた私にとって、これはまた一つ、向き合うべき“物語”だった。

天井の染み、壁の湿り、床のにじみ——。それらはすべて“水の痕跡”であり、“語られざる事件”だった。

最初は雨漏りかと誰もが思った。
だが調査を進めていくうちに、外壁からの浸水ではないことがわかった。水は上から。つまり“屋内”——それも厨房から忍び込んだのだ。

調査の最中、私はふとこう思った。
雨漏りの調査とは、まるで事件の捜査に似ている。現場の空気を読み、聞き込みを重ね、痕跡を辿る。原因という名の“真犯人”を、理性と感覚のすべてを使って追い詰めてゆく。

今回は厨房防水が鍵だった。
厨房の床を丁寧に洗浄し、細部に目を凝らす。すると、排水口のそばに一筋のクラック(亀裂)が見つかった。まるで古い瓦のように、そこだけが静かに、しかし確実に時を刻んでいた。

このわずかな裂け目から、水は逃げ出していたのだ。
どれほどの時間をかけてか、静かに、着実に、重力に従って下階へと滲み出し、ついには営業中の店舗を襲ったのである。

水は語らない。
だが、語らないからこそ、我々はその痕跡から物語を読み解く。そこにあるのは責任、費用、そして関係者の胸中の軋み——。誰が費用を負担すべきか、誰が不備を見逃したのか。
原因が明らかになれば、誰の「責任」かもまた、明らかになる。

今回の工事では、防水層を一新し、再発防止を目的とした丁寧な施工を行った。
そして今、再び厨房の床は美しく、静けさを取り戻している。
だが私たちは、あえて“完成”という言葉を使わない。
本当の意味で“終わった”と呼べるのは、水が再び静かに眠る日——そう、1階のテナントに「もう水は落ちてこない」と確信できた、その時なのだ。

人は、事件の「結果」より「過程」に真実を見る。
そして我々もまた、“調査”の末にこそ、答えに辿り着く。

雨の音がまだ、屋根を叩いている。
この静寂が、長く続くように——私は、心から、祈っている。