2025/5/2 神奈川県藤沢市木造戸建住宅|給湯管からの漏水💧


雨音の向こう側で──それは「お湯」だった話。
こんにちは。
雨漏り調査・修繕けんおうリノベーションです。
ぼくらの仕事は、言ってみれば「見えないものを探すこと」だ。
目に見えるクラックでもなければ、手に触れる湿り気でもない。
ときにそれは、ほんのわずかな気配や、違和感のようなものとして、空間の中に潜んでいる。
ある日のことだった。
それは、まるでサスペンス小説の一章のように、静かに始まった。
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「キッチンの上から水が漏れてくるんです」
電話の向こうで、ご主人ははっきりと、そして少し苛立ち混じりにそう言った。
雨漏りに違いない。ここ数日、天気も崩れがちだったし、何より“天井から水が落ちてくる”というのは、彼にとって即ち“雨漏り”の証拠だった。
それはごく自然な反応だ。誰だって、自分の家の天井が破れていたり、ましてや中身が壊れていたりするとは思いたくない。
だからこそ、ぼくらの仕事は丁寧でなくてはならない。
一日かけて、家を調査した。
外壁はきれいだった。クラック一つない。
サッシ、屋根、目地、防水層──雨の侵入経路となるような場所は、見事なまでに健全だった。
「……雨漏りじゃないかもしれません」
同行していた調査員が、ふと呟いた。
そして「お湯、出してみてもいいですか?」と、ご主人に尋ねた。
そうしてキッチンの蛇口からお湯が流れ出したとき、静かだった天井が──突如、赤く染まりはじめた。
サーモグラフィーカメラの映像の話だ。
さっきまで冷たく沈黙していた天井が、じわじわと赤く、温かい色に変わっていく。
まるで、何かが息を吹き返したように。
それは「お湯」だった。
雨ではない、空の仕業ではない。
この家の中にある、もっと生活に密着した──つまり、「給湯管」からの漏水だったのだ。
天井の開口は、お客様にとっては勇気のいる決断だった。
だが、ご納得いただいた上で開けてみると、そこにははっきりと“答え”があった。
エルボの部分──給湯管の曲がり角にあたるその部分から、水が細く、しかし確実に漏れ出していた。
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「まさか、雨じゃなかったなんて……」
ご主人は何度も首を傾げながら、天井を見上げていた。
そこに、雨はなかった。あるのは、長年静かに進行していた配管からの水漏れ。
そのシミは、少し前から始まっていたのだろう。
時間とともにじわじわと、天井材を湿らせ、ある日ついに“水が落ちる”というかたちで表に出てきた。
銅管の漏れ。
決して珍しくはない。だが、それが“雨漏りのように見える”ことが多いからこそ、見極めが必要になる。
雨のせいではないのに、雨を疑う。
家の外ではなく、中にある原因を、ぼくらは見逃さないように、今日も静かに目を凝らしている。
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現在、そのご家庭では、内装復旧工事の最中だ。
天井を元どおりにし、また穏やかな生活を取り戻すための作業が進んでいる。
ぼくら、けんおうリノベーションが目指すのは、「笑顔に変わる瞬間」に立ち会うことだ。
雨漏りかもしれない、水漏れかもしれない──そんな不安をひとつずつ解きほぐし、
最終的に「来てもらってよかった」と思っていただけるような仕事を、今日も重ねている。
もしあなたの家でも、水の音がするなら。
それがどこから来たものであっても、ぼくらが“本当の原因”を見つけ出すお手伝いをいたします。
雨漏り調査・修繕けんおうリノベーション
――「見えない漏れ」を見つけるプロ集団です。